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歯周病が腸内細菌叢を介して関節炎を悪化させる新しいメカニズムを解明

2018年6月27日

新潟大学は8月1日、Porphyromonas gingivalis が腸内細菌叢を変化させ、腸管免疫を Th17 優勢な応答にシフトさせることにより関節炎を悪化させるメカニズムを明らかにしたと発表した。

研究は、同大学医歯学総合研究科の山崎和久教授、大学院生の佐藤圭祐氏らの研究グループが、理化学研究所との共同研究によるもの。
近年、様々な疫学的研究により、歯周病の罹患が2型糖尿病、動脈硬化性疾患、関節リウマチなどの全身疾患のリスクを高めることが明らかになってきている。

歯周病とそれらの疾患の関連メカニズムとして、歯周病の局所(歯肉)から血行性に細菌が全身循環に侵入する、あるいは歯周組織の局所で産生された炎症性サイトカインが血行性に全身をめぐり、様々な組織や臓器にて炎症を誘発すると考えられてきたが、このメカニズムでは説明できないことも多かった。

今回研究グループは、関節リウマチのモデルマウスを用いて歯周病原細菌の影響を解析した。この際できるだけ実際の病態を反映させるため、細菌を口の中に投与する方法を用いている。
2種類の歯周病原細菌(P. gingivalisとPrevotella intermedia)を週に2回、5週間投与したのち、コラーゲンタイプIIを免疫して関節炎を発症させ、免疫開始から6週間後に関節炎の重症度、腸内細菌叢、リンパ節中の Th172の比率、Th17のIL-17 産生能などについて解析を行った。
その結果、P. gingivalisを投与した場合にのみ、関節炎が重症化することがわかった。

また、腸内細菌叢を解析した結果、P. gingivalis投与群でのみ変動が認められ、その変化は細菌投与を中止した6週間後でも継続していた。 この細菌叢の変化に伴って腸間膜リンパ節におけるTh17細胞の比率が上昇し、IL-17 産生能も亢進していた。
これは、従来考えられてきた自己抗体の産生増強とは異なり、歯周病原細菌 P. gingivalis が腸内細菌叢を介して関節炎を悪化させるという新たな病原メカニズムを明らかにしたものだ。

以上の結果は、歯周病と関節リウマチの新たな関連メカニズムを提唱するのみならず、歯周病とその他の疾患の関連メカニズム解明にも大きな示唆を与えると考えられる。

今後は、これらの現象がヒトにおいても生じるか確認するとともに、歯周病治療が腸内細菌叢を改善することを明らかにすることが必要となる。
口腔内にはP. gingivalis 以外にも全身の健康に悪影響をおよぼす細菌が口の中に存在している可能性があるため、そうした細菌を最先端の網羅的解析技術を用いて明らかにし、口腔細菌叢の健康度から腸内細菌叢の健康度、 ひいては全身の健康度を簡便に評価する方法の開発につなげたいと研究グループは述べている。

本研究成果は7月31日、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

出典:歯周病と関節リウマチの関連メカニズムを解明しました(新潟大学プレス資料)

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